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東大寺学園中・高等学校 様

正確な暑さ指数を、部活動顧問らへタイムリーに共有
得られた確かなデータで、学園独自のガイドライン作成へ

教育業

何よりも、生徒の安全が最優先される教育現場。しかし酷暑による事故のニュースはなくならず、文部科学省や自治体では注意を促すものの、対策は現場によるところが大きい。進学校として全国的な知名度をもつ奈良県の東大寺学園中・高等学校でも、特にリスクが高くなる体育の授業や部活動の場面では、熱中症対策に苦心してきた。そこで「暑さ指数(WBGT)」をタイムリーに計測・共有し、データとしても活用したいと考え「SisMil」を導入。学園独自の熱中症対策ガイドライン作成に乗り出した。

※WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature

森 岳郎 教頭

お客様の課題
  • 特有の立地環境により、夏場のグラウンドが異常な暑さに。特に運動部の活動で、熱中症が危ぶまれた。
  • WBGTを、各部の顧問が個々に計測。簡易的な計測器は、測定方法が疑問で、データも残らなかった。
  • より確かな熱中症対策のためには、学園独自にガイドラインを作成する必要があった。

導入後の効果
  • 日当たりが良く、特に暑くなる第一グラウンドの横に、計測器(子機)を設置。リスクが最も高い環境を定点的・定期的に計測可能に。
  • 測定値をメールで顧問に一斉配信。リアルタイムな数値を教職員で共有し、より適切に早めの対応ができるように。
  • 測定値がクラウドに記録され、データとして閲覧・活用できるように。昨年・今年のデータを根拠に、ガイドラインの作成へ。

導入の背景

過去最多を記録した暑さの中、独自に計測したWBGT

2026年に創立100周年を迎える東大寺学園では、生徒の自由や自主性を重んじる校風から部活動も多様で、一昨年には高等部のクイズ研究部がテレビ番組で優勝。運動部も活発だ。しかし昨年、奈良では真夏日が93日、猛暑日が47日と、どちらも統計開始以降で最多に。これまでの対策、そして昨年SisMilを導入・利用された狙いを、勤続30年を超える森教頭にインタビューする。

当学園の熱中症対策ガイドラインを作成するために

森教頭:奈良には盆地特有の暑さがありますが、当学園は小高い丘陵地にあって周囲が開けているためグラウンドの日当たりが大変良く、夏場は異常な暑さになります。よって広域の気象情報ではなく、この場所の状況を知ることが重要です。そこで特に危険な暑さとなる放課後の、部活動の時間帯に顧問がWBGTを計測。しかし、計測は個別に各顧問の判断で行われ、活動の中止判断も個別でした。また、計測にはハンディタイプの簡易計測器を用いており、場所や条件も一定ではなかったため、測定方法に疑問がありました。学校として中止の目安となる数値を設けていたものの、刻々と変化する状況や競技によってもリスクは異なるので、顧問らは判断に迷うことがありました。
どの学校でも熱中症への関心は非常に高く、管理職や養護教諭ら学校関係者が集まる場でも、よく話題となります。
運動部の顧問は、校外で他校の顧問と話す機会があるようです。このため、当学園でもより確かな熱中症対策を求める声が、多くの職員から上がっていました。また、保護者からの問い合わせが増え、文部科学省の「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」が更新されたこともあり、当学園における熱中症対策ガイドラインを作成することに。それにはWBGTの計測にシステムが不可欠と判断し、私が導入を担当しました。

森 岳郎 氏

導入の効果

メールの一斉配信で、顧問へ確かな情報を伝達・共有できるSisMilに興味

森教頭:Web検索で情報収集する中、測定値をリアルタイムにメール配信できるSisMilの機能に興味をもちました。各部が校内のさまざまな場所で活動しているため、顧問のスマートフォンへ一斉配信し確かな情報を共有できれば、活動の中止を早めに判断できると考えたからです。そしてクラウド上でデータを一元管理できる点も魅力でした。校内でガイドラインを作成するためには、正確かつ定期的に計測してデータを蓄積し、参考や根拠にすべきだからです。

グラウンド横のポールに計測器(子機)を設置

3社のシステムに目が留まり比較したところ、1社はSisMilと同様の機能をもっていましたが、事業年数が浅く、実績や信頼性という点でSisMilに分がありました。もう1社は計測機能のみで、データ活用も含めたシステムでの導入が目的であるため不採用に。こうしてSisMilのトライアル運用を始め、管理画面の操作や計測データの見方、帳票の出力などを確認。表示は細かな設定ができたため見やすく、操作も分かりやすいマニュアルがあったので特に戸惑うことはありませんでした。求めていた機能をしっかりと備えたSisMilなら、目的に沿った運用ができると判断。コストも含めて納得感があり、約1カ月後に本契約へ切り替えました。計測機(子機)は、日光が一日中当たり校内でも特に暑い、第一グラウンドに面した場所へ設置しています。

システム構成概要

SisMilで、熱中症対策への意識が向上。ガイドライン作成にも着手へ

森教頭:顧問からは、測定値をメールでリアルタイムに知ることができる点を、とても歓迎されました。計測する手間がなくなり、業務の量と時間が削減され、測り忘れもなくなりました。顧問全員が同じように情報を得られ、危険を察知することができ、とても安心感があります。学校や顧問が熱中症のリスクヘッジを意識すれば、それは当然、生徒たちにも伝わっていくはずです。SisMilの設置により、生徒たちの意識に変化が感じられました。自分たちでしっかり休憩を取っているようですし、WBGTがより身近なものになったのでしょう、測定値を聞いてくる生徒もいます。当学園には中・高で一緒に練習する部も多いので、高校の先輩たちが中学の後輩らを気にかけてくれるようになればと期待しています。

そして今年度は、当学園における熱中症対策ガイドラインの作成に取りかかる予定です。WBGTを測り、その危険度に応じて部活動をどう制限していくべきか。部によって活動内容が違いますし、中学生と高校生とでは体力差もあります。特に中学へ入ったばかりの生徒には、小学校まで勉強に専念してきたことから運動初心者といった子も多いため、暑い環境での活動に不慣れな面があります。暑さに慣れていない初夏と、夏を越えた残暑の季節とでも違いがあるでしょう。いろいろな要素を判断材料に、部活動の中身や計画を考えることは難しいと思います。しかし、そこでよりどころとなるのがデータです。SisMilで計測した数値は、予測でも推計でもなく、実測値です。より確かな裏付けとなるものですから、初年度と同様に今年度も計測データをしっかりと記録するつもりです。データを根拠に生徒や保護者へ当学園の熱中症対策を説明することが、我々に課せられた責務だと考えています。

SisMilを知っていただければ、判断に迷われる他学にとっても有益なはず

森教頭:昨年のデータを職員会議で提示する際、生の数値ではなく、わかりやすく、視覚的に見せたいと考えており、リスクの高い時間帯や月単位の危険度をグラフなどに加工してご提供いただけるオーク情報システムの分析ツールに興味があります。今回のSisMil導入は熱中症対策に悩む学校運営者にとって参考となるはず。学校関係者が集まる会合などで、ぜひご紹介したいです。きっと今後も機能を拡張されていくことでしょう。
さらに魅力的なシステムへ進化されると期待しています。

プロフィール

東大寺学園中・高等学校

東大寺学園中・高等学校 様

  • 所在地

    〒631-0803
    奈良市山陵町1375

  • 創立

    1926年

  • 在籍生徒数

    1,245名(中・高等学校合計 2024年5月1日現在)

  • 職員数

    98名(2024年4月1日現在)

  • 事業内容

    教育業

  • WEB

    https://www.tdj.ac.jp

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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