ダイワロイヤルゴルフ株式会社 様
猛暑の中、ゴルフをより安全に楽しんでいただくために
熱中症リスクを把握し、サイネージでわかりやすく注意喚起
スポーツ施設提供業
2024年の記録的な猛暑の影響が見えてきた。小売や製造を中心にプラスへ働いた産業が過半数を占める中、レジャー産業では屋内型と屋外型で逆の影響があり、後者は来客数が鈍化※しているようだ。今後も暑くなるなら、これまでの熱中症対策だけでは、お客様の安心・安全を確保し続けることが、より困難になるだろう。そこにいち早く気づき、「SisMil」を導入したゴルフ場がある。熱中症への注意をお客様に呼びかけ、従業員の意識も高めた。
※帝国データバンク 『上場企業「今年の猛暑」影響調査―2024年10月』より
川田 吉隆担当部長
- 導入前の課題
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- 近年の猛暑から、ゴルフ場でも高まり続けている熱中症リスクに対応し、お客様の安全確保に努める責任を認識。
- 予防グッズの販売や氷の提供など、さまざまな手段を講じてきたものの、それだけで充分とは言えない状況。
- お客様に予防意識を高めていただくこと。そして従業員にもお客様をケアする意識の向上が必要。
- 導入後の効果
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- ゴルフコース内のWBGT※を自動計測し、お客様に注意喚起ができるよう、サイネージへ実測値をリアルタイムに表示。
- 本部も各ゴルフ場の状況を、遠隔でリアルタイムに確認できるように。今後、蓄積するデータを運営改善に活用。
- 危険度の見える化と勉強会の開催により、従業員の熱中症に対する意識が向上。
※WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature
導入の背景
熱中症リスクの軽減を目指し、新たな熱中症対策にチャレンジ
大和ハウスのグループ企業として、全国で10カ所のゴルフ場を経営するダイワロイヤルゴルフ株式会社。長い歴史や、自然の地形を生かしたコースの美しい景観などから名門と賞され、広く支持され続けている。当然、コース管理に重きを置いてきたが、近年の気候変動による猛暑で、いま芝が大きな影響を受けているそうだ。そして、猛暑の影響は炎天下でプレーをされるお客様にも。トータルで満足度の高いサービスを心がけてきた同社では、熱中症リスクを把握し、お客様への注意喚起に役立てたいとSisMilを導入。ゴルフ場での有用性を、導入と運用を担われた同社イノベーション推進室の、川田吉隆担当部長と加藤真弓担当部長のお二人に伺った。
近年、より注目が高まっているWBGTを、ゴルフ場でも活用へ
川田担当部長:年々高まっている熱中症のリスクに対し、ゴルフ業界では以前からいろいろな対策を打っています。弊社の各ゴルフ場でも熱中症予防グッズや飲料の販売、氷のうに使っていただく氷の無償提供、お声がけや掲示による注意喚起などを行ってきました。ゴルフは日陰がない場所を長時間かけて回るレジャーであることから、プレーされるお客様も熱中症には敏感で、多くの方が独自の対策をされています。そのためか、当ゴルフ場では命にかかわるような大きな事故は起きておらず、救急搬送される方も減少傾向にありました。
しかし最近の異常な暑さで、世の中全体が危機感をさらに高めています。このため、弊社社長から「暑さ指数(WBGT)」をゴルフ場の熱中症対策にも採り入れるよう提案があり、機器を探すことになりました。加藤がインターネット検索で自動計測・更新型のツールを探す中、目に留まったのがSisMilでした。
導入の効果
独自の訴求力に期待してSisMilの導入を決定
加藤担当部長:WBGTを計測できる製品はいくつかありましたが、熱中症の危険度を数字だけでなくイラストやカラーも使ってサイネージに表示することで、お客様へわかりやすく周知できる製品はSisMilだけでした。そして、本部が遠隔から全施設の状況を一括して、自動で計測・更新されるリアルタイムな情報を確認できることから興味がふくらみました。機能や使い方、耐久性などを丁寧にご説明いただき、1カ月ほどで導入を決定。また、導入後は、弊社の全ゴルフ場支配人と副支配人、希望するゴルフ場スタッフに、熱中症やWBGTについてご教示いただけたことが大きなポイントでした。勉強会参加者は、熱中症の意識向上やSisMil導入に対する理解が図れました。
注意喚起をするサイネージの画面(例)
熱中症リスクの表示で、お客様そして従業員にも意識の変化
加藤担当部長:各ゴルフ場に、親機1台と子機(計測器)3台を導入。オーク情報システムにはゴルフ場2カ所の設置作業に同行をお願いし、設置方法をご教示いただきました。その後、各ゴルフ場では、それぞれで作業をしてもらい、問題なく設置できました。子機の設置場所は基本的に、コース上や練習場、各ゴルフ場で対策が必要となりそうな箇所などを選んでいます。そしてサイネージでの注意喚起のため、お客様の目に触れやすいクラブハウスのフロントまたはマスター室に専用モニターを設置しました。
こうして、暑さが本格化する7月からSisMilの運用をスタート。効果としては、熱中症のリスクをお客様へ直感的にわかりやすくお伝えできたと思います。慌ただしい状況でも、サイネージの前を通った際には、警告がお客様の目に飛び込んだのではないでしょうか。表示が「危険」となっている画面をご覧いただいたお客様が「熱中症には気をつけないと」と話される声を聞きました。また、現場スタッフの熱中症への意識が変わったことも、大きな効果の一つだと思います。危険度が可視化されたことによって、ゴルフ場スタッフも猛暑であることを再認識し、熱中症対策やお客様へのケアに、より積極的になったと感じます。
フロントに設置されたサイネージモニター
導入後の保守・運用サポートも、スムーズで適確
加藤担当部長:運用中は、大きなトラブルは起きていません。ただ、設置してすぐに子機の電源が落ちてしまったことがありました。電源確保の問題から、コース横に設置する子機は電池モードを採用しています。ところが誤って消費電力の大きい電源モードで使用していたため、電池がすぐに切れてしまいました。本来は、ひと夏で1回程度の電池交換で済むはずでしたが、問い合わせをすると、各ゴルフ場の担当者に直接連絡をするなど、迅速に対応いただき大変助かりました。また、ゴルフ場は広大ですので、親子機間の通信がうまくいかなかった際には、中継機の設置で解決していただきました。
データの分析、そして新技術も利用して、熱中症対策の向上へ
川田担当部長:WBGTを計測し、データを蓄積した期間は7~10月の4カ月間。業務上さまざまなデータを確認する中で、SisMilのデータもほぼ毎日確認していました。来年以降もデータを蓄積し、今後は分析も行って、熱中症対策や予防グッズの準備、さらにはSisMilのより適切な設置場所などを検討する際に活用できればと考えています。
オーク情報システムから提供する分析レポート例
加藤担当部長:また今回の方法では、お客様はフロントでチェックインしマスター室からスタート後、コース上でのプレー中はサイネージを確認する機会がありません。そこで、カートに搭載しているナビシステムに数字や画像を配信して、プレー中にも熱中症の注意喚起ができたらと考えており、ぜひ実現いただければと期待しています。
プロフィール
ダイワロイヤルゴルフ株式会社 様
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所在地
【本社】〒102-0072
東京都千代田区飯田橋3-9-7飯田橋丸ビル5階 -
設立
2007年3月12日
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資本金
50百万円
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従業員数
122名(2024年9月30日現在)
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事業内容
〈スポーツ施設提供業〉
ゴルフ場の運営管理 -
WEB
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。