Excelを使った煩雑な日報管理を「日報365」で効率化。コミュニケーションの活性化や若手人材の育成にも貢献

株式会社斎藤鉃筋工業 様
北関東の広範なエリアで土木・建築鉄筋工事請負事業を展開する株式会社斎藤鉃筋工業。同社ではこれまで、現場で工事に携わる作業員などの勤怠・工務管理をExcelで行っていたが、複数の目的に応じたデータ管理の煩雑さに悩まされていた。これら一連の作業の効率化に向けて導入された「日報365」は、事務処理の大幅な削減にとどまらず、現場のコミュニケーションの活性化にも貢献している。
- 建設業界特有のデータ集計作業が担当者の大きな負担
- 本社から遠く離れた現場では、日報の提出が遅れがち
- 作業員の手配やスケジュール管理の負担が大きい

導入後の
成果・効果
- タブレットからの日報入力により、目的別のExcel形式で自動集計
- 職長は現場からタブレットでリアルタイムに日報報告
- 作業員手配や勤怠状況が把握でき、的確な管理が実現
現場で稼働する多くの作業員の日報を手作業で管理する担当者の負荷
1979年の創業以来、鉄筋工事のエキスパートとして栃木県を中心に北関東の広範なエリアで事業を展開する株式会社斎藤鉃筋工業。2019年には創業40周年を迎え、近年は東南アジアから多くの外国人技能実習生を迎え入れながら、スーパーゼネコンのビジネスパートナーとして、佐野市新庁舎やさいたま赤十字病院といった公共施設のほか、さまざまな案件の躯体工事を手がけてきた。
同社が仕事を請け負う現場で稼働する作業員は、協力業者なども含めると、1日に70~100人とかなりの人数にのぼる。こうした日報管理は長年にわたってExcelを使って行われてきたが、目的に応じて加工が必要な入力作業は担当者にとって大きな負担となっていたと、代表取締役社長の斎藤淑江氏は振り返る。

「建設業界では近年、少子化による人手不足が深刻化していることから、当社でも早くからコンピュータ制御の加工機械などを積極的に導入してきました。そうしたことから、日報管理の課題についてもシステム化による解決で何とか乗り切れないかと考えました」
同社では、さっそく具体的なソリューションの選定に着手。さまざまな製品を比較した結果、導入を決定したのがオーク情報システムの「日報365」だった。総務部人事担当の斎藤絵理氏は、「建設業界の日報管理は給与計算のためだけではなく、請求のための人工計算などもありますので、システムを導入する際に求める機能は多岐にわたります。その意味で、建設業界での用途を想定して開発された『日報365』は最適なシステムでした」
建設業界特有のさまざまなデータ集計をサポートする「日報365」
斎藤鉃筋工業の日報管理では、①給与計算のための勤怠データ、②歩掛計算のための現場毎の人工集計データ、③建設業退職金共済(建退共)へ提出する工数データという3種類のデータを毎月作成している。従来はこれらのデータを手作業でExcelに入力していたが、そのルールの煩雑さが担当者の大きな負担につながっていた。常務取締役 工務 兼 経理部長の斎藤久美氏は次のように話す。
「建設業界特有のさまざまな用途でのデータ集計をサポートする『日報365』は、協力業者毎の人工管理による請求支払漏れの防止、現場の作業員からの申請と職長が入力したデータのダブルチェックによる現場毎の歩掛計算なども可能で、当社が求める要件をすべて満たしていました」
このような経緯で導入した後、同社では現場の職長を対象とした説明会を開き、2015年7月から正式に運用を開始した。

日報入力による大幅な業務効率化とコミュニケーションの活性化
斎藤鉃筋工業における「日報365」の基本的な使い方は、各現場の職長が1日の終わりに手元のタブレットなどから日報を入力するだけの極めてシンプルなものだ。しかし、これにより本社から遠く離れた現場にいる職長がその日のうちに日報を提出できないといった不便もなくなった。
また、各作業員が申請する勤怠システムでの残業時間データと、「日報365」で職長が入力する出面データが一致しているか、といったチェックも可能になっている。
もちろん給与計算や建退共といった報告データなども、日報が入力された時点で「日報365」がそれぞれのデータを自動的に集計する。その結果、日報データの入力・集計までの時間も大幅に短縮され、給与計算に掛かる時間も削減された。「日報365」は、作業予定の正確な連絡・確認といった面でも大きな改善効果をもたらしている。明日、誰がどこの現場に入るかといった「作業員手配」をシステムに入力しておくと、職長は現場からタブレットで自分の予定を確認し、作業の段取りを前もって済ませておけるようになった。

「現場での作業の段取りも効率的になったし、連絡の行き違いもなくなりました。事務方の省力化といった効果以上に、現場の人たちが仕事をしやすくなった点は何より大きな収穫です」と、専務取締役の斎藤裕氏は語る。
また同氏はマネジメントの観点から、作業員同士のコミュニケーションが活性化し、人間関係が円滑になってきたことも高く評価している。
「日報365の作業員手配スケジュールを見ながら、職長と現場の作業員が『この時間には何をしなければいけないのか』といった会話を頻繁に交わすようになりました。入社したばかりの外国人実習生でも、こうした会話を通じて仕事にいち早く慣れていける点も大きな成果だと感じています」
ITを活用した働き方改革を推進し未来を支える人材育成にも注力
斎藤鉃筋工業では、社長をはじめ経営陣や事務方の多くを女性が占めている。人手不足の解消だけでなく、わが国の働き方改革のあり方を考える上でも、「日報365」のようなITツールを活用していく意義は大きいと、斎藤絵理氏は考えている。
「IT化を通じて管理指標が明確になれば、性別や人種、言語にとらわれることなく、客観的なデータに基づく労務管理を実現できるはずです」

現場に精通したベテランの勘や経験で物事を判断することが多かった業界にあっても、定量的、客観的なデータをもとに管理・評価を行う仕組みは、今後ますます重要になってくる。
斎藤社長も「私は個人の経験値、いわば“カンピュータ”でやってきた世代ですが、これからの若い人たちが経験を積んでいく上ではITが大きな役割を果たしていく、そういう時代になったんだと思います」と話してくれた。
「日報365」のような情報ツールを活用して、より効率的な働き方の追求やコミュニケーションの活性化に大きな期待を寄せる斎藤鉃筋工業。若い力とITに支えられて、同社はこれからも建設業界の未来に大きな貢献を果たしていくだろう。


株式会社斎藤鉃筋工業
〒327-0814 栃木県佐野市西浦町587番地(佐野インター産業団地内)
創業:1979年8月
資本金:2,100万円
従業員数:100名(専属協力業者含む)
事業内容:土木・建築鉄筋工事請負 在来筋・ネジ精密切断・ メッシュ加工請負
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
※当導入事例内容は、「日報365」初期バージョンのものです。
工数・出面集計業務を