自社だけでなく協力会社などの外注労務費も管理できるのが魅力
日次・月次データ集計の効率化で作業がスムーズに
有限会社工藤建設興業 様
1999年創業の有限会社工藤建設興業は、躯体の下請け工事を中心に鉄筋工事、型枠工事、とび・土工事などを行っている専門工事業者。事業規模の拡大により請負工事の分野も広がり、現場や作業員がどんどん増えていく中、日報や勤怠管理などの事務作業に多大な時間を要していた。そこで、日報365を導入して事務処理をシステム化し、日々の作業の簡略化と効率化を図ることになった。
- 作業員や現場の数が膨大で日次・月次データの集計や照合に時間がかかり、集計担当者の負担が大きい。
- 外注労務費の管理を簡素化したい。
- データを転記することによる漏れを防ぎたい。
導入後の
成果・効果
- 自動でデータが集計されるため再入力の手間が省け、作業時間短縮に繋がった。
- 誰がどの現場に行ったかが明確になり、協力会社との請求・支払に係る 外注労務費と自社の原価管理が楽になった。
- Excelでデータを出力・保存することによって、請求・支払漏れのチェックが短期間でできるようになった。 また、取引先へ提示する帳票も、Excelの編集で簡単に作成できるようになった。
事業規模の拡大にあたり事務処理の簡略化を検討
本社のある徳島県内・四国島内をはじめ、関東や東北にも営業所を持ち、広域で事業を展開する工藤建設興業。元々は鉄筋工事業者からスタートした同社は、型枠工事、とび土工工事とレパートリーを広げ、専門工事業者としては躯体一式を請け負える強みを持つ。2023年には、経営事項審査(経審)を受け、入札参加資格も獲得。現場も作業も順調に増え続けるなか、これまではExcelを使って手作業で行ってきた日報管理が大きな負担となっていた。
宅地建物取引士/第一種衛生管理者
現場管理担当 システム責任者
新居部長:「システム導入以前は、鉄筋工事・型枠工事などそれぞれの担当世話役が、明日はどの現場に何人、誰を手配するかをノートに書いて、それを職長に連絡するというのが流れでした。日々の流れは今でも同じですが、それを月次でまとめる時に、それぞれの世話役が各自の書式で作ったものを取りまとめて集計しなければならず、照合や検証にも時間がかかっていました。そんなときに、元請会社から日報365を紹介されました。事業規模も大きくなって、請負工事の分野も広がり、外注も含め大勢の作業員を使うことになったので、事務処理の簡略化をするために、システムを導入しようということになりました。」
システム導入当時は経審を受ける予定はなく、勤怠管理や給料の計算、協力会社との請求・支払のやり取りをメインで使用していたという。しかし、日報365では現場ごとの人工も管理できるため、経審に必要な原価計算などにも活用するようになった。
岸路氏:「日報365を使うことで公共工事の競争入札に参加するための根拠データとして、現場ごとの工事台帳作成時の労務費や外注費管理が容易にできるようになり、重宝しています。」
決め手は自社だけでなく「外注労務費の管理もできる」こと
作業のシステム化にあたり、同じようなシステムを開発している複数社から説明を受けたという。しかし、他にも同じようなシステムはあったものの、自社の出面のみを管理し、それを給与台帳に反映させる商品がほとんどだった。工藤建設興業の「協力会社の出面や人工も一括管理したい」というニーズに対応できる商品は日報365だけだった。
新居部長:「自社の社員だけでなく、協力会社の請求・支払や労務を把握して出面の管理ができるのがとてもありがたいです。この機能があることが、日報365を導入する決め手になりましたね。」
集計結果がExcelで出力・保存でき、月次の締め作業を時短
システム導入後、手間がかかっていた月次の集計処理が短期間でできるようになり、作業効率は飛躍的にアップしたという。
新居部長:「システムで入力したデータはExcelで出力・保存できます。これを各会社別に編集して使用していますが、データとして書式が統一されているので、請求や支払の漏れも防げます。チェックが簡単にできるので月末に締めてから集計結果を出すまでの期間が本当に短くなりました。」
一級建築施工管理技士/一級土木施工管理技士
出面集計担当
岸路氏:「出面の集計も楽になりました。入力については日報365導入前と同じように、個々に集まってきたものを打ち込んでいますが、誰がどの現場に行ったかが自動的に集計されるのでとても便利です。これまでは「どの現場に何人いたか」の工数は把握できても、個人別の管理ができませんでした。元請会社への請求根拠としての工数の管理と、自社の原価や協力会社への支払の管理が両方できるので助かります。」
新居部長:「あと、出勤簿の管理としても帳票を便利に使っています。また、元請会社から建退共(建設業退職金共済)への申請のため、誰がどのくらいどの現場に行ったかという情報を求められますが、帳票を一目見れば確認できます。現場ごとではなく作業員ごとに管理できるのがメリットですね。」
現在は「人」の管理をメインにシステムを使用しているが、日報365は資機材の管理も可能。この機能についても今後積極的に活用していく予定だ。
ユーザの細かな要望にも迅速に対応
協力会社や現場、作業内容などは、プルダウン選択で簡単に入力できるのが日報365の利点。しかし、自社の作業員を約50名抱え、遠征作業現場も多く担当する工藤建設興業では、プルダウンで表示される件数が多すぎて、欲しい情報を見つけるのが困難な状態だった。
新居部長:「通常、現場マスターは登録順に表示されます。だから、必要な情報を探すにはずっと下までスクロールしなければ見つけられないことがあった。でも、これに対してオーク情報システムはすぐに対応し、検索窓を設置してくれました。おかげで、必要な情報をすぐに探せるようになりました。定期的なアップデートもあって、ユーザの声を素早く反映してもらえるので、安心してシステムを使い続けることができますね。」
どんなに利便性の高いシステムも、ユーザの環境によって「使い勝手の良さ」は異なる。お客様の声を重視し、ニーズに迅速に対応できることが「日報365」の最大の強みでもある。
「カタチに残る仕事」を、建設業界の未来を支える人材に継承
工藤建設興業では、地元徳島県内の高等学校を対象に出前講座などを積極的に展開し、若い世代の人材育成にも熱心に取り組んでいる。鉄筋工事や型枠工事など、実際の現場を再現し、実習を通じて建設業の魅力や楽しさ、達成感を味わってほしいのだという。
新居部長:「建物の部分的な模型を現地で組み立てて目の当たりにしてもらうことで、ものづくりの楽しさや魅力を知ってもらいたい。施工図面しか書いたことがない学生が、鉄筋が緻密に組み込まれているのを初めて見て『自分は今まで中身がこんな風になっていることを知らずに図面を描いていた。鉄筋の仕事がしたいと思った』と言って、入社してくれたことがあります。「私がつくったよ」と誇れる仕事を若い世代に継承していきたいと思う気持ちで、人材育成に取り組んでいます。若者が持つITに対しての柔軟な感性を活かせるツールとして日報365を活用したいと思っています。」
「高齢化」「技術伝承」「業務効率化」といった建設業界の課題を改善する幅広い機能を持つ日報365。ITに強い世代が建設業界に多く加わることで、より便利な機能を活用することができるのはもちろん、作業が簡略化されることで若手の活躍の場も広がるだろう。
有限会社工藤建設興業
〒779-3205 徳島県名西郡石井町高原字東高原111番地1
設立:1999年12月
従業員数:56名(2024年2月)
営業種目:鉄筋工事業/大工工事業/とび・土工事業/建築工事業/鋼構造物工事業 /解体工事業/土木工事業/石工事業/舗装工事業/しゅんせつ工事業/水道施設工事業など
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものです。
※この記事に記載された会社名、製品・サービス名はそれぞれ各社の商標もしくは登録商標です。
工数・出面集計業務を